歯の治療全般
歯に物が挟まる!原因と対処法は?

皆さんは、食事の時に歯と歯の間に食べ物が挟まった経験はありますか?お口の中はとても敏感なので、食べ物が挟まると不快ですよね。また、外食の際などは、笑った時に挟まった食べ物が見えてしまわないかと、心配になることもあると思います。
もちろん、まれに歯に食べ物が挟まる程度なら問題ありません。しかし、「頻繁に食べ物が歯に挟まる」「いつも歯の同じ場所に挟まる」といった場合は、お口の中で何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。
今回は、食べ物が挟まるのにはどのような原因があるのか、そしてその対処法についてお伝えします。
歯と歯の間に食べ物が挟まる理由
歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなる主な原因は、以下の5つが挙げられます。
歯と歯の間の隙間が広い

私たちの歯と歯の間は、上の奥歯で0.09mm程度、下の奥歯で0.07mm程度と、髪の毛1本分程度の隙間が空いているのが通常です。そのような正常な隙間でも、繊維質のものなどは時々挟まってしまいます。
しかし、隙間が0.15mmを超えると急激に物が挟まりやすくなると言われています。隙間が大きくなる原因は、生まれつきの歯並びや、歯周病の進行などさまざまです。
ブラックトライアングル

ブラックトライアングルとは、歯の根もと部分の歯と歯の間の三角形の隙間の部分を指します。通常、この部分は歯茎で覆われていますが、加齢や歯周病などによって歯茎が下がると、隙間が大きくなり、黒く見えるため、このように呼ばれます。
ブラックトライアングルが大きくなると、食べ物が挟まりやすくなるだけでなく、見た目にも影響することがあります。
歯周病による歯茎の退縮

健康な状態の歯茎はしっかりと引き締まっていて、歯の根の部分は覆われています。しかし、歯周病になると歯茎に炎症が起こり、赤く腫れたり、ブヨブヨと柔らかくなったりします。
さらに進行すると歯茎が退縮し(歯肉退縮:しにくたいしゅく)、歯の根元部分が露出する原因になります。これにより、歯と歯の間の隙間が広がり、食べ物が挟まりやすくなるのです。
歯肉退縮については、歯茎が下がる原因は?対策はどうする?のコラムで詳しく解説していますので、興味のある方は併せてご参照ください。
虫歯や歯の欠け

虫歯で歯に穴が開いたり、転倒や事故など、何らかの原因で歯が欠けたりすると、その隙間に食べ物が挟まりやすくなります。
特に、歯と歯の間の虫歯(隣接面う蝕)は、自分では気づきにくいため注意が必要です。初期の虫歯は痛みがないことも多いですが、放置すると進行してしまうため、早期発見・早期治療が大切です。
詰め物や被せ物が合っていない

「最近、歯の治療をしてから詰まりやすくなった」という場合は、詰め物や被せ物が合っていないかもしれません。
詰め物・被せ物の治療後は、歯と歯の間の隙間も適正になるように調整します。しかし、口の中は非常に繊細で、しっかりと調整しても、わずかな差で食べ物が挟まりやすくなることもあります。違和感がある場合は、我慢せずに歯科医院に相談しましょう。

また、虫歯でブリッジの治療をした場合は、間の歯がないため、どうしても食べ物は挟まりやすくなります。ブリッジを選択した場合は、歯科医師や歯科衛生士から、歯間ブラシやフロスの使用など、適切な清掃方法の指導を受け、しっかりとケアすることが大切です。
食べ物が挟まるのを放置したらどうなるか
歯と歯の間に食べ物が挟まる状態を放置すると、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
痛みや腫れの原因になる

食べ物が挟まりやすい場所は、常に汚れがたまったままになります。この状態が続くと、歯茎に炎症が起こり、出血や腫れ、痛みを引き起こすことがあります。
虫歯や歯周病のリスクが上がる

食べ物が挟まりやすい場所は、細菌の温床となりやすい環境です。歯垢(プラーク)が蓄積しやすく、このプラークの中に潜む細菌が、虫歯や歯周病の発症・進行を加速させる可能性があります。
口臭の原因になる

歯と歯の間に挟まった食べかすや蓄積した汚れは、時間とともに腐敗し、悪臭を放つようになります。これが、口臭の主な原因の一つとなります。
口臭は自分では気づきにくい場合もあり、周囲の人に不快感を与えてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
食べ物が挟まる時の対処法
ここでは、歯と歯の間に食べ物が挟まった時に、ご自身でできる対処法と、歯科医院での治療が必要となるケースについて解説します。
フロスや歯間ブラシを使う

食べ物が挟まったらフロス(糸ようじ)や歯間ブラシを使って、優しく取り除きましょう。爪楊枝を使う方もいらっしゃるかもしれませんが、歯茎を傷つけたり、食べ物をさらに奥に押し込んでしまう可能性があるため、あまりおすすめできません。
毎日歯ブラシで歯磨きをしていても、フロスや歯間ブラシも使って歯と歯の間も磨いているという方は日本ではまだそれほど多くないかもしれません。しかし、歯と歯の間を清掃するには、歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシが欠かせません。ご自身に合った使い方をクリニックで相談しましょう。
繰り返すようなら歯科医院へ

一度だけ繊維質のものが挟まったという程度であれば、それほど心配する必要はありません。しかし「頻繁に食べ物が挟まる」「いつも同じ場所に挟まる」といった場合は、虫歯や歯周病、詰め物・被せ物の不適合など、何らかの原因がある可能性が高いため、歯科医院を受診しましょう。
放置しておくと、歯茎が炎症を起こしたり、虫歯や歯周病の原因となります。早めに歯科医院を訪れ、原因を特定して適切な治療を受けるようにしてください。
頻繁に歯に物が詰まるのは、お口の中で何らかのトラブルが起きているサインかも

食べ物が挟まること自体が不快なものですが、それ以上に問題なのは、放置することによって虫歯や歯周病の悪化、口臭、歯茎の炎症など様々なリスクが高まることです。
原因によって対処法も異なってくるため、まずは、食べ物が挟まりやすい原因を特定することが大切です。「ただ食べ物が挟まっただけ」と軽く考えずに「もしかしたら、お口のトラブルサインかも?」と捉え、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。
ポラリス歯科・矯正歯科では、通常の歯科治療だけでなく、患者さん一人一人に合ったお口のトータルケアをご提供いたします。フロスや歯間ブラシの選び方・使い方の指導から、詰め物・被せ物の調整、歯並びの改善まで、幅広く対応しておりますので、「最近、食べ物が挟まりやすくなったな…」と感じる方も、札幌のポラリス歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。