マウスウォッシュを使う時のポイントは?

マウスウォッシュを使う時のポイントは?
 

手軽にお口のケアができるマウスウォッシュ。液体を少量含んで吐き出すだけで、虫歯や歯周病の予防、口臭を抑えるなど、様々な効果を得られます。お口の中がスッキリするので、リフレッシュに欠かせないという方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、マウスウォッシュの正しい使い方を知らなければ、効果は半減してしまいます。そこで今回は、マウスウォッシュの使用方法や注意点についてご紹介します。

 

毎日欠かさず使っている方はもちろん、これまで効果が分からずに使わなかったという方、一歩進んだオーラルケアを始めたいという方も、今回のコラムを参考にしてくださいね。

マウスウォッシュとは

マウスウォッシュ(洗口液)とは
 

マウスウォッシュ(洗口液)は、歯磨きの後に使用する液体のデンタルケア用品です。いつもの歯磨きにプラスするだけで、虫歯や歯周病、口臭などの予防効果を高めてくれます。

 

似たような製品にデンタルリンス(液体歯磨き)があります。デンタルリンスは歯磨き粉の代わりとして使用する製品ですので、マウスウォッシュと使用する目的が異なります。混同しないように気をつけましょう。

 

ポラリス歯科・矯正歯科でも、患者さんから今ひとつ両者の違いが分からないというお声もよく頂戴しますので、再度まとめておきますね。

マウスウォッシュ(洗口液)

歯磨きの後に使用するケア用品。虫歯や歯周病、口臭予防の効果が期待できます。

デンタルリンス(液体歯磨き)

液体の歯磨き粉。文字どおり、歯磨きの際に歯磨き粉として使用します。

洗口とうがいの違い

続いて、洗口とうがいの違いについても触れておきたいと思います。後述しますが、マウスウォッシュやデンタルリンスは洗口するための製品であり、うがいのための製品ではないからです。洗口液とうがい薬(含嗽:がんそう)は、お口に中に含むという点では似ていますが、効果が全く異なります。

洗口

洗口
 

洗口とは「液体をブクブク(クチュクチュ)して口腔を清浄し、静かに吐き出すこと」とされています。つまり、お口の中をきれいにするという意味です。

 

上で述べたマウスウォッシュやデンタルリンスなどは、全て洗口液のことを指します。

うがい(含嗽:がんそう)

うがい(含嗽:がんそう)
 

うがいは「液体をガラガラして咽頭と口腔を清浄し、ぺっと吐き出すこと」です。お口の中だけでなく喉の入り口あたりまできれいにすることで、細菌の感染や炎症を防ぐことができます。

 

一部例外はありますが、うがい薬は医師や歯科医師の処方が必要です。うがい薬は感染予防や炎症を軽減させるために使用するので、医療従事者の指導のもと、期間を決めて使用します。

マウスウォッシュの効果

では今回のコラムの本題であるマウスウォッシュの効果についてお話ししていきましょう。製品によって差がありますが、多くのマウスウォッシュには、次のような効果があります。

お口の中の細菌を減らす

マウスウォッシュの効果:お口の中の細菌を減らす
 

一部のマウスウォッシュには、殺菌作用が含まれています。塩化セチルピリジウム、クロルへキシジンなどの成分が、虫歯や歯周病の原因菌にアプローチし、口腔内の細菌を減らします。虫歯や歯周病の発生を防ぎ、お口の中を健やかに保ってくれます。

口臭予防

マウスウォッシュの効果:口臭予防
 

口臭の主な原因は、お口の中の汚れや細菌です。マウスウォッシュを含んで吐き出すことで、口腔内の細菌の活動を抑制することができます。

 

爽快感のあるミントの香りやキリッとした刺激が、気になる臭いをカバーし、口臭を抑えてくれるでしょう。外出先で歯磨きをする時間がない時にも役立ちますね。

マウスウォッシュ使用時の注意点

マウスウォッシュは歯やお口の健康にとって有効ですが、マウスウォッシュを使用する際には注意も必要です。

お口の中の良い菌も減ってしまう

マウスウォッシュ使用時の注意点:お口の中の良い菌も減ってしまう
 

細菌というとマイナスのイメージがありますが、全ての菌が有害なわけではありません。中には人体にとって有益な細菌も存在します。

 

お伝えしたように、マウスウォッシュには殺菌効果がありますが、口腔内の「良い菌」も一緒に減らしてしまうリスクがあります。また、味を感じる味蕾(みらい)を傷つけてしまい、味覚障害が起きる可能性もあります。

 

1日3回以上使用する方は、配合成分に着目してください。できる限り界面活性剤が含まれないものを選ぶと、このようなリスクを避けられるでしょう。

歯磨きがおろそかになる

マウスウォッシュ使用時の注意点:歯磨きがおろそかになる
 

マウスウォッシュを使うとお口の中がスッキリしますよね。爽快感を感じると、お口の中は十分きれいになったと思い、歯磨きがおろそかになってしまう方もいらっしゃいます。

 

たしかにマウスウォッシュはお口の中をきれいにしてくれますが、歯磨きをしなくても良いほどの洗浄作用があるわけではありません。

 

あくまでもマウスウォッシュは、毎日の歯磨きと合わせて使用することで効果を発揮します。しっかりと歯を磨いたうえで、仕上げとして使用しましょう。

お口の乾燥

ドライマウス、オーラルフレイルにはご注意を
 

マウスウォッシュには、アルコールが含まれている製品があります。アルコールには殺菌作用があるのですが、揮発性が高いため、お口の中が乾燥しやすくなります。

 

お口を潤している唾液には、汚れを洗い流す洗浄作用、虫歯を治す再石灰化作用、細菌の活動を抑える抗菌作用、虫歯になりにくくする緩衝作用など、大切な働きがあります。

 

お口が乾燥すると、唾液が持っている様々な効果が低下するので、アルコールが含まれている製品を頻繁に使用するのは控えましょう。

 

また、マウスウォッシュの刺激が強すぎると、口に含むだけで辛く感じたり、お口の中の傷にしみて痛みを感じる場合もあります。このような時もマウスウォッシュを使用するのは避けてください。

ドライマウス、オーラルフレイルにはご注意を

ドライマウス、オーラルフレイルにはご注意を
 

お口の乾燥は、特にオーラルフレイル(加齢に伴う口腔機能の低下)が気になる高齢者の方や、ドライマウス(お口の乾燥症)に悩んでいる方は要注意です。口腔ジェル・口腔保湿剤の使い方のコラムや、乾燥する季節は、お口の保湿も忘れずにのコラムも併せてご参照ください。

マウスウォッシュの使用量は?どれくらいゆすげば良い?

マウスウォッシュの使用量は?どれくらいゆすげば良い?
 

詳しくはそれぞれの製品のラベルに書かれた使用量を参考にしていただければ良いのですが、基本的に、マウスウォッシュ1回の使用量は約10~30mlです。

 

キャップが計量カップを兼ねていることが多いので、キャップ内側のメモリを確認しましょう。マウスウォッシュをお口に含み、ブクブクとして数十秒間お口をゆすぎ、吐き出します。

マウスウォッシュ使用時のポイント

マウスウォッシュ使用時のポイント
 

では、ここまでお話ししてきた点も踏まえ、マウスウォッシュを使う際に、押さえておいていただきたいポイントについてご紹介します。

歯磨きの代わりにはならない

前述のとおり、マウスウォッシュで洗口しても、完全にお口の中を清潔にすることはできません。歯に付着した歯垢(プラーク)は取り除けないので、歯ブラシを使って物理的に取り除く必要があります。

お口全体に届くようにする

マウスウォッシュは、お口の中全体に液体が行き渡らなければ効果が半減します。お口の中の隅々まで行き渡るように、ブクブクとゆすぐのがポイントです。

マウスウォッシュ後にすすがない

マウスウォッシュの後は、水ですすぐ必要はありません。すすいでしまうと、せっかくの有効成分がお口から流れ出てしまいます。マウスウォッシュ後はすすがず、そのままにしましょう。

マウスウォッシュを過剰に使わない

マウスウォッシュの使用頻度は1日3回が目安です。口腔内の乾燥につながるため、過度な使用は控えましょう。

マウスウォッシュを正しく使用してお口を健康に

 

マウスウォッシュは虫歯予防や歯周病予防、口臭予防など様々な効果がありますが、食後の歯磨きが終わったあとにプラスするのが最も効果的です。また、就寝中はお口の細菌が増加しやすいので、就寝前にマウスウォッシュを使用するのも良いでしょう。

 

マウスウォッシュは薬用成分が入った医薬部外品のものから、お子さんにも安心の刺激が少ないものまで様々な商品があります。最新のユニークなデンタルグッズのコラムでもご紹介しましたが、近年は技術の進歩により、より機能的な製品も多数出てきました。

 

ポラリス歯科・矯正歯科では、患者さん一人一人のお口の環境に合わせ、最適なデンタルケア商品もご紹介しています。ご興味のある方は、ポラリス歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。