以前、大学病院と町の歯医者さん、どちらが良い？のコラムで、大学病院の歯科についてお話ししましたが、大学病院や市中病院などの総合病院には「歯科・口腔外科」という診療科が設置されており、見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

 

大学病院や総合病院の口腔外科は、一般歯科では対応が難しい専門的な治療を行う場所です。そのため、街中で口腔外科を掲げているクリニックはあまり見かけません。

 

今回は、総合病院や大学病院にある口腔外科がどのような場所なのか、イメージを掴んでいただけるように解説します。一般的に、大学病院の口腔外科は少し敷居が高いと感じるかもしれませんが、この記事を通して知っていただければ幸いです。

「口腔外科」って？

 

「口腔外科」と聞いてすぐにイメージが湧く方は少ないかもしれません。歯医者さんなら、どこも同じような治療をしているのでは？…そう思われる方もいらっしゃるでしょう。

 

しかし、実際にはそうではありません。内科や耳鼻科など、医師の診療科が細かく分かれているように、歯科も多くの診療科に分かれています。

 

例えば、入れ歯を専門にしている補綴科（ほてつか）や、歯の根っこの治療を専門に扱っている歯内療法科など、その数は10以上に及びます。そして、その中の一つに「口腔外科」もあるわけです。

どこが違う？街中のクリニックと病院の口腔外科との違い

 

街のクリニックは、虫歯や歯周病の治療、入れ歯や詰め物・被せ物の作成などが主な診療内容です。予防歯科で歯科衛生士によるブラッシング指導（TBI：Tooth Brushing Instruction）も行い、患者さんのお口の健康をサポートしています。

 

これに対し、口腔外科は、お口の中やその周辺組織における外科的な疾患を専門とする診療科です。虫歯や歯周病の治療は基本的に行いません。詳しくは後述しますが、親知らずの抜歯・顎関節症・口腔がんの手術・放射線治療といった専門的な治療を扱います。

 

口腔外科医は、一般的にイメージされる「歯医者さん」とは異なり、むしろ外科医に近い存在と言えるかもしれません。

口腔外科で扱う主な疾患

ここでは、口腔外科でどのような病気を扱っているか、代表的なものを紹介します。

親知らずなどの抜歯

 

口腔外科で最も多く行われる治療が親知らずの抜歯です。皆さんの中にも、親知らずが原因で痛みや腫れを経験し、口腔外科にかかられた方もいるのではないでしょうか。

 

一般のクリニックでは、親知らずの位置や生え方、患者さんの健康状態によっては抜歯が難しいこともあります。そのため、抜歯のリスクが大きいと判断した場合は、口腔外科を紹介するケースが多くなります。

 

1つの医院で様々な歯の疾患に対応できることを目指すポラリス歯科・矯正歯科には、医療法人社団 千仁会の専門医が多く在籍しておりますので、難しい親知らずの治療も可能です。大学病院の口腔外科で長年勤務していた歯科医師も在籍しておりますので、気になる方は、一度ご相談ください。

顎関節症

 

「顎を動かすとガクガクする」「口を開けるときに痛みを感じる」といった症状に悩まされている方はいらっしゃいませんか？

 

特に女性に多く見られるこれらの症状は顎関節症（がくかんせつしょう）という病気の可能性があります。顎関節症も口腔外科が専門とする疾患の一つであり、診断と治療を受けられます。

口腔がん

お口の中にもがんができることがあります。タレントの堀ちえみさんが舌がんを公表されたことも記憶に新しいでしょう。口腔がんは、早期発見・早期治療が大切ですが、まだまだ、日本人の口腔がんに対する意識は低いのが現状です。口腔外科では、お口の中にできるがんに対する治療を行っています。

 

このように、口腔外科は一般的な歯科治療だけでは対応が難しい病気の診断・治療を行っているのです。そのため、必要に応じて内科など他の診療科の医師と連携しながら治療を進めることもあります。

口腔外科ではどのような治療を行うの？

口腔外科で扱う疾患は、親知らずの抜歯だけでなく、がんのように命に関わる病気を対象ともしています。口腔外科では、これらの疾患に対する専門的な治療を行っており、診察以外にも以下のような業務があります。

全身麻酔下での手術

 

一般のクリニックでは、全身麻酔を伴う手術はほとんど行われませんが、口腔外科を掲げているクリニックでは、手術が必要な疾患に対して、全身麻酔を用いることがあります。

 

全身麻酔を行う理由は様々ですが、例えば、親知らずの抜歯においても、患者さんの状態によっては、全身麻酔をしたうえで治療を行うケースなどがあります。

がんに対する放射線化学療法

 

先ほどお伝えしたように、お口の中にもがんが発生することがあります。口腔がんに対する治療は、手術だけでなく、放射線療法や化学療法（抗がん剤治療）も選択肢となります。放射線や抗がん剤での治療を行っているのも口腔外科医です。

手術前後の患者さんの口腔ケア

 

もう一つ重要な業務があります。病院口腔外科では、入院患者さんを多数抱えており、そのような方の手術前後の口腔ケアも行っています。

 

入院患者さんは、全身状態が低下している場合も多く、お口の中の衛生状態が悪化しやすい状況です。
手術前後の口腔ケアを実施することで、肺炎予防につながり、早く退院できるという報告も多数あります。

 

さて、ここまでで、口腔外科とはどんな病気の治療を行っているか、また、どんな特徴のある診療科なのかをご理解いただけたでしょうか。普段あまり知られていない、歯科医療の専門的な一面を知っていただくきっかけになれば幸いです。

病院口腔外科に通院するには？

 

病院の口腔外科を受診する際は、原則として紹介状が必要となる場合がほとんどです。紹介状なしでも受診できるケースもありますが、その場合は別途料金が発生することがあります。

 

まずかかりつけの歯科医院で診察を受け、口腔外科での治療が必要と判断された場合に、紹介状を書いてもらう流れとなります。

 

もし、病院の口腔外科での治療を希望されたり、勧められたりした場合は、まずは近くの歯科医院を受診し、紹介状もらうようにしましょう。

ポラリス歯科・矯正歯科は口腔内のお悩みを一つの歯科医院で完結

 

今回は、口腔外科と一般歯科との違いを解説しました。難しい抜歯や高度な治療など、専門的な外科処置を中心に行うのが口腔外科の役割です。

 

病院の口腔外科を受診する際は、紹介状が必要になります。もし、親知らずの抜歯などで口腔外科での治療をご希望される場合は、まずはお近くの歯科医院にご相談いただき、紹介状を書いてもらいましょう。

 

文中でもお伝えしたように、ポラリス歯科・矯正歯科には、北海道大学歯学部臨床教授も務める千田理事長が率いる医療法人社団 千仁会の専門医が多く在籍し、一般的な歯科治療はもちろんのこと、お口に関する様々なお悩みに、ワンストップで対応できる体制を整えています。

 

より専門的な治療が必要な際は、大学病院などの医療機関との連携も可能です。お口のことでお困りの際は、札幌駅すぐそばのポラリス歯科・矯正歯科にぜひ一度ご相談ください。