削らず治す?虫歯のレーザー治療って?

削らず治す?虫歯のレーザー治療って?
 

皆さんは虫歯の治療と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?

 

歯茎に麻酔を注射し、虫歯で黒くなった部分を削り取って、その穴を樹脂で埋めたり、詰め物や被せ物を作るために型を取ったりする様子を想像するのではないでしょうか。

 

ただ、麻酔のチクっとした痛みが苦手な方や、歯を削る時の「キーン」という音が嫌いな方、ドリルの振動が怖いという方もいるでしょう。特に小さなお子さんは、このような治療を嫌がり、歯医者さんに行くのをためらってしまうことも少なくありません。

 

そんな歯科治療が苦手な方にストレスの少ない虫歯の治療方法として、レーザーを使った治療方法があることをご存じですか?

 

これまで歯科治療が苦手でなかなか足が向かなかった方にとっては、ストレスなく治療できる一つの選択肢になるかもしれません。今回は、虫歯のレーザー治療とはどのようなものかについてお話しします。

歯科で使われるレーザーの種類

歯科で使われるレーザーの種類
 

歯科治療で用いられるレーザーには、いくつかの種類があります。それぞれに得意とする働きがあり、治療目的に応じて使い分けられています。

Er:YAGレーザー(エルビウムヤグレーザー)

歯や骨などの硬い組織を削るのに適しています。虫歯治療で最もよく用いられ、虫歯に侵された部分だけを精密に取り除くことができます。また、歯の表面を強化して虫歯を予防する効果も期待できます。

Nd:YAGレーザー(ネオジウムヤグレーザー)

歯茎などの柔らかい組織に対して、出血を抑えたり、組織を固めたりする働きがあります。歯周病治療や、歯茎の形を整える治療などに用いられます。

CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)

CO2レーザーも、歯ぐきなどの柔らかい組織に対して用いられます。出血を抑えたり、組織を固めたりする働きはNd:YAGレーザーと似ていますが、CO2レーザーは組織を蒸発させる作用が強いのが特徴です。そのため、口内炎の治療やメラニン色素沈着の除去などに効果を発揮します。

半導体レーザー

組織を切開したり、殺菌したり、痛みを和らげたりと幅広い用途に用いられます。比較的コンパクトで扱いやすいのも特徴です。歯周病治療や根管治療、外科処置後の疼痛緩和などに役立ちます。

レーザーによる虫歯治療

レーザーによる虫歯治療
 

虫歯とは、虫歯菌が出す酸によって歯が溶かされてしまう病気です。虫歯は他の部分よりも柔らかくなっており、レーザー治療では、虫歯菌に侵されて柔らかくなった部分に、特殊なレーザー光を照射します。

 

このレーザー光は、虫歯部分だけをピンポイントで蒸発させ、健康な歯を傷つけずに虫歯を除去することができるのです。

 

さらにレーザーには殺菌効果もあります。虫歯部分だけでなく、周囲の細菌も死滅させられるので、虫歯の再発リスクを減らすことも期待できます。

レーザー治療のメリット

ここでは、レーザー治療の代表的なメリットを4つご紹介します。

痛みが少ない

虫歯のレーザー治療によるメリット:痛みが少ない
 

レーザー治療の大きなメリットは、従来のドリルで削る方法と比較して、痛みが少ないことです。

 

上述のとおり、虫歯菌に侵された柔らかい部分だけにレーザーを照射するため、健康な歯を傷つけることがありません。そのため、お子さんや痛みが苦手な方、麻酔が効きにくい体質の方に適しています。

不快な振動や音が少ない

虫歯のレーザー治療によるメリット:不快な音や振動が少ない
 

冒頭でも触れたように、歯医者さんが苦手という方の中には、歯を削る時の音や、歯科機器によって伝わる振動が苦手という方も多いものです。

 

レーザー治療では、ドリル等を使用しないため、これらの不快な音や振動がほとんどありません。静かな環境で、ストレスをあまり感じることなく、虫歯治療を受けられるでしょう。

出血が少ない

虫歯のレーザー治療によるメリット:出血が少ない
 

虫歯が歯茎に近い場合、ドリルで削ると、歯ぐきを傷つけて出血してしまうことがあります。

 

出血すると、削った後の詰め物を入れる作業が難しくなり、治療の精度が落ちてしまうことにもつながりかねません。その点、レーザーは歯肉に当たっても出血する心配がなく、精密な治療が可能になります。

虫歯の再発防止

虫歯のレーザー治療によるメリット:虫歯の再発防止
 

レーザーの種類によっては殺菌作用があるため、虫歯の再発防止が期待できます。

レーザー治療のデメリット

このようにメリットの多いレーザー治療ですが、やはりデメリットはあります。

全ての虫歯が対象になるわけではない

全ての虫歯が対象になるわけではない
 

ただ、レーザーを使った虫歯治療は、全ての症例に対して行えるわけではありません。レーザーの光が虫歯部分に届く必要があるため、歯と歯の間の虫歯や、入り口が狭く、中で大きく広がっているような虫歯は、ドリルとの併用が必要になります。

 

また、神経まで達しているような大きな虫歯もレーザー治療の適応外となります。つまり、レーザー治療が適しているかどうかは、虫歯の状態や位置によって異なってくると言えます。まずは歯科医院で詳しく診察してもらい、自分に合った治療法を相談しましょう。

治療時間がかかる

治療時間がかかる
 

レーザーは虫歯を一気に削る治療と比較して、少しずつ丁寧に虫歯を取り除いていくため、どうしても時間がかかります。そのため、従来の治療法よりも、全体の治療期間が長くなる傾向にあります。

自費治療になる場合がある

自費治療になる場合がある
 

レーザーを使った虫歯治療は、一部保険で認められていますが、症例によっては保険適応外となります。治療を始める前に、保険が適用されるかどうか、費用はどのくらいかかるのかを確認しておく方が良いでしょう。

全ての歯科医院でレーザー治療を行っているわけではない

レーザーを使った治療は、全ての歯科医院で行っているわけではなく、取り扱っているレーザーの種類もクリニックによって様々です。

 

そのため、レーザー治療を希望する場合は、事前に歯科医院のホームページを確認したり、電話で問い合わせたりして、希望する治療が受けられるかどうかを確認することが大切です。

ストレスない虫歯治療をお考えならポラリス歯科・矯正歯科に

 

今回はレーザーを使った虫歯治療について解説しました。レーザーによる虫歯治療は、従来の方法と比較して痛みが少なく、音や振動による不快感も軽減できます。ただ、適応となる症例には限りがあり、クリニックによってレーザーの取り扱いも様々です。

 

メリットは多いものの、レーザー治療は万能な治療法ではありません。やはり自分に合った治療法を選ぶためには、各治療の特徴や注意点を理解し、歯科医師とよく相談することが大切です。

 

札幌駅すぐのポラリス歯科・矯正歯科は、医療法人社団 千仁会の専門医が多数在籍し、痛みに最大限配慮した最新の治療をご提供いたします。患者様一人ひとりに寄り添った、丁寧なカウンセリングと治療を心がけておりますので、ストレスのない虫歯治療を受けたいとお考えの方は、ぜひポラリス歯科・矯正歯科にお問い合わせください。