歯の治療全般
最新のユニークなデンタルグッズ
皆さんは歯磨きグッズというと何を思い浮かべますか?歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスが一般的かもしれませんね。
歯をきれいに保つことに積極的な方は、ご自身ならではのこだわりの歯ブラシや、歯磨き粉などもお持ちかもしれません。歯科医院の立場からすると、日々の歯のセルフケアに関心を持っていただけるのは、とても良いことだと思います。
最近は歯ブラシやデンタルフロスだけでなく、様々なデンタルグッズが販売されています。今回はそんな最新のデンタルグッズについてご紹介します。
注)分かりやすくするために具体的な商品例を掲載しておりますが、当院が使用を推奨しているわけではございません。ご了承ください。
歯磨き関連グッズ
歯磨き関連としては、ご自身の手で動かす歯ブラシや、一般的なデンタルフロスだけではありません。様々な商品が開発されています。
電動歯ブラシ
まず一番メジャーなのは電動歯ブラシでしょう。毛先が自動的に動いてくれるので、電動歯ブラシは、歯に当てるだけで効率的に歯の汚れやプラークを取り除けるのが特長です。
とにかく簡単に歯磨きできるので、例えばお年を召した方や麻痺がある方など、お体が不自由な方も効果的に歯をきれいにしていただけます。
楽しく歯磨きできるアプリがあるタイプもありますので、スマホと連動させて、お子さんの歯磨き習慣を確立するのにも良いですね。
電動歯ブラシの種類
電動歯ブラシは、毛先の動き方で振動式、回転式、音波式などに分けられます。振動式はヘッド部分が従来の歯ブラシと同じような形状をしており、回転式は歯科医院でのクリーニングに用いるような丸いヘッドをしています。音波式は、音波の力で1分間に約3万回~4万回という高速で振動し、歯の汚れを取り除くタイプで、商品数が多いのが特徴です。
回転式は汚れをこすり取る力は強いのですが、刺激が強かったり、歯に上手く当てるのが難しいので、強い刺激が苦手な方や、細かく汚れを落としたい方は、他のタイプを選ぶと良いでしょう。
また、これらの中には、アタッチメント部分の交換により、ステイン除去、歯周病ケア、舌ケアなど、様々な用途に対応できる商品もありますので、お好みのものを選んでみてください。
口腔洗浄機
口腔洗浄機は、食べかすや歯の表面に残っているプラークを水圧で洗い流す器械です。細かなところにまで水が入り込むので、矯正装置がついている方にもおすすめです。
水圧を調整すれば、子供さんから高齢の方まで、好みの強さで使うことができ、歯周病で歯肉が腫れている方も大丈夫です。
水流の方式の違いで、ジェット水流、パルス水流、超音波水流、X字型水流などのタイプがあります。ジェット水流型は最もメジャーなタイプで、パルス水流型は文字どおり短い間隔で少量の水を吹き出すタイプです。超音波型やX字型は、パナソニックやフィリップスといったメーカー独自の商品で採用されています。
歯だけでなく、アタッチメントを交換すれば、舌の汚れを落とすことができる商品もあります。
除菌キャップ
除菌キャップは歯ブラシのキャップです。充電式で、歯ブラシにかぶせると紫外線が照射され、歯ブラシが除菌されるので、歯ブラシを衛生的に保てます。
また、旅行の時の歯ブラシキャップの代わりとしてもお使いいただけます。
スポンジ状デンタルフロス
水分を吸い込むと膨らむスポンジ状のデンタルフロスです。狭い箇所にも入れやすいように、端の部分は細くなっています。
唾液を吸って膨らむので、歯と歯の間、矯正器具との隙間、ブリッジの底の部分などを効果的にケアできます。
歯磨き粉・マウスウォッシュ
歯ブラシ関係のアイテムをご紹介したので、次は歯磨き粉についてお伝えしましょう。歯磨き粉にも様々な新しいタイプが登場しています。
タブレット歯磨き粉
タブレット歯磨き粉は、文字どおりタブレット状の歯磨き粉です。歯磨きの際、タブレット1錠をお口に入れて噛み砕き、口内全体に馴染ませて歯を磨きます。
歯ブラシがない時に、歯を磨く代わりに、水ですすいでマウスウォッシュとして使える2wayタイプもあります。
ハイドロキシアパタイト歯磨き粉
こちらはテレビCMなどでご存知の方も多いでしょう。フッ素の代わりにハイドロキシアパタイトを虫歯予防に配合している歯磨き粉です。
使用に年齢制限もなく、高濃度フッ素と同じくらいの高い虫歯予防効果があります。
オーラルpHバランサー
お口の中の酸を中和するマウスウォッシュです。歯やお口の健康を守るための食生活のコラムでもお伝えしましたが、食事をすると、お口の中のpHは中性から酸性に傾き、この状態が続くと、歯の表面からミネラル成分が溶け出していきます。
オーラルpHバランサーは、食後、酸性に傾いたお口の中を中和し、歯が脆くならないようにしてくれます。
ポーションタイプマウスウォッシュ
ポーションタイプのマウスウォッシュは、1回分の容量にパッケージされたマウスウォッシュです。
食事の後は歯磨きをするのが一番ですが、外出先ではそうもいかないこともあるでしょう。そんな時、ポーションタイプのマウスウォッシュを使えば、計量の手間もかかりませんし、携帯しやすく、外出先でも簡単に歯のケアができます。
口臭ケア
歯ブラシや歯磨き粉のほか、口臭のケアも気になるところではないでしょうか。口臭ケアとしては、タブレットとサプリメントの商品があります。
口臭タブレット
口臭タブレットは、タブレットの香りで口臭をカバーして感じさせにくくします。即効性の高さがメリットです。
多くは、ミント系かヨーグルト系の香りです。ただ、歯周病などの口臭の原因を除去するわけではないので、口臭自体が完全になくなることはありません。ご注意ください。
口臭サプリメント
口臭ケア用のサプリメントもあります。タブレットが舐めて溶かすのに対し、サプリメントは水で飲まなければならないので、タブレットほどの簡単さはありません。
即効性はタブレットに劣りますが、長期的な効果が期待できるのがメリットです。
その他
これらの他にも様々なデンタルグッズがあります。
デンタルチェックライト
専用の特殊な光で、歯の表面についた歯石やプラークを可視化するライトです。磨き残しや歯石のついている部分だけが違う色で浮かび上がるので、歯のどこが汚れているか簡単にわかります。
デンタルチェックライトは歯の表面を照らすだけなので、プラーク染色液のように濃い色が残ることもありません。
吹き戻し
小さな頃、吹き戻し(息を吹き込むと音が鳴って伸びる笛のおもちゃ。巻き笛、蛇笛とも呼ばれる)で遊んだことがある方もいらっしゃるでしょう。
訪問歯科での口腔ケアの大切さのコラムでもお伝えしましたが、加齢による口腔機能の衰えをオーラルフレイルといい、日本歯科医師会もその啓蒙のために様々な活動に注力しています。
歯科用の吹き戻しは、年とともに衰えてくる舌の力を強くし、飲み込み(嚥下:えんげ)や呼吸の力を強化する効果があります。おもちゃの吹き戻しと同じく、ピューっと吹くわけですが、息を吹きかける強さに違いがあります。
歯ぐきマッサージブラシ
歯ぐき用のマッサージブラシは、軟らかく、コシがあるゴム製の歯ブラシです。歯を磨くのには適していませんが、歯肉に当てて円を描くように動かすと、歯肉のマッサージ効果が得られます。
咀嚼能力測定用グミ
噛み合わせの力を測るために開発されたグミです。30回噛んでいただき、噛み潰された組の形で噛み合わせの強さを測ります。
簡単に噛み合わせの力を調べられるのがメリットです。
深呼吸ストレッチ器具
深呼吸ストレッチ器具は、鼻に装着するゴム製のアイテムです。装着すると鼻腔が広がり、鼻呼吸がしやすくなります。
使用後は水洗いできますので、繰り返し使っても衛生的です。いびきや口呼吸、お子さんが口をぽかんと開けてしまう癖の改善に加え、運動時の呼吸を楽にする効果もあります。
最新デンタルグッズに加えて歯科医院でのプロフェッショナルケアも忘れずに
今回は、最新のデンタルグッズについてご紹介しました。歯ブラシや歯磨き粉だけでなく、様々なアイテムがあることをご理解いただけたかと思います。
以前と比べると、技術の進歩により、高機能なデンタルグッズが登場しています。どの商品にも特徴があるので、ご自身で使いやすいものを選んでいただいて構いません。
これらのグッズを使い、日々のセルフケアを通じて歯の健康に関心を持っていただけるのは大変良いことです。ただ、やはりセルフケアだけでは取りきれない歯の汚れがあるのも事実です。
セルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを併用することが、歯の健康のためには欠かせません。定期的に歯科医院を訪れ、専用機材によるPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)により、お口の中のコンディションを良好な状態に保つようにしましょう。
ポラリス歯科・矯正歯科では、通常の歯科診療に加え、予防とメンテナンスにも注力しておりますので、歯や口腔内の状態が気になる方は、お気軽にご相談ください。