歯茎が下がる原因は?対策はどうする?

皆さんは「歯茎(はぐき)が下がってきたな」と感じたことがあるでしょうか?また、年齢を重ねると「歯茎がやせる」と聞くことも多いかと思います。

 
歯ぐきが下がる原因は?対策はどうする?
 

このような症状は歯肉退縮(しにくたいしゅく)と呼ばれ、歯の周りの歯茎が何らかの原因で下がり、それによって歯の根が露出してしまうことを指します。

 

歯茎が下がることで見た目にも影響が出ますが、実は見た目以外にも、歯や周りの組織に様々な影響があるのです。今回は、歯茎が下がる原因やそれに伴う症状、治療法についてお伝えします。

歯茎が下がる原因

歯周病が一番の原因

歯茎が下がる一番の原因が歯周病です。詳しくは歯周病治療・クリーニングのページで解説していますが、歯周病は、歯の周りについたプラーク中に存在する細菌が原因で起こる炎症性疾患です。

 
歯周病の歯

歯周病の歯

 

歯周病の初期は、歯茎が腫れたり歯茎から出血したりといった症状が出ますが、歯周病が進行すると、炎症が歯茎だけでなく歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)にまで波及します。すると、骨が溶かされ、歯を支える骨が下がっていくことによって、歯茎も下がってしまうのです。

 
歯周病の進行
 

歯周病で炎症がある状態の歯茎に、以下に挙げるような他の因子が加わることで、より急速に歯茎が下がってしまいます。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりによる弊害のコラムでもご説明しましたが、通常、上の歯と下の歯は、食事の時以外は離れているのが正常です(安静時空隙:あんせいじくうげき)。しかし、歯ぎしりや食いしばりの癖のある方は、歯に対して力のかかる時間が長くなり、歯への負担が大きくなります。

 
歯ぎしり・食いしばり
 

特に寝ている時の歯ぎしり・食いしばりは、数百キロもの力がかかるといわれており、過剰な力によって、歯茎が下がりやすくなります。

 

歯周病で炎症が起きているのに加え、このような過度な力がかかると、より骨の吸収が起きやすくなり、歯茎が下がるだけでなく、歯がグラグラしてきたりします。

悪い歯並び

歯並びが悪い方は、特定の歯に力が集中しやすかったり、歯の外側の骨が薄かったりします。すると、その部分の歯茎が下がりやすくなります。

 

全体的に歯茎が下がるのではなく、一部の歯茎だけが下がる場合は、歯並びや噛み合わせが原因の可能性があります。やはりこのようなケースでは、矯正治療を行うのが望ましいと言えるでしょう。

 

ポラリス歯科・矯正歯科では、最新の設備で患者さん一人一人に合った矯正治療をご提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

強すぎるブラッシング

強すぎるブラッシング
 

硬い歯ブラシでゴシゴシ磨くことが好きな方もいらっしゃいますよね。特に男性に多い印象です。

 

しかし強すぎる歯磨きは、歯茎が下がる原因になります。歯ブラシは固すぎないものを使って、歯磨きは、歯ブラシの毛先が広がらないくらいの力で行いましょう。

歯茎が下がると出てくる初期症状

歯茎が下がると、始めは以下のような症状が出てきます。

 
歯茎が下がると出てくる初期症状

歯がしみる

歯茎が下がると、歯の根の部分が露出します。歯の頭の部分はエナメル質という固い組織で覆われていますが、歯の根は覆われておらず、象牙質という柔らかい組織が露出してしまうと、歯がしみやすくなります。

歯と歯の間に食べ物が詰まる

歯茎が下がることで、歯と歯の間の隙間が大きくなり、そこに食べ物が挟まりやすくなります。歯と歯の隙間を磨くため、歯磨きの際は、デンタルフロスや歯間ブラシの併用がおすすめです。

歯が浮いたような感じがする

歯を支える骨や歯茎が下がることで、歯が浮いたような違和感を感じる場合もあります。

歯が長くなったように見える

歯の根が露出することで、歯が長くなったように見えます。特に前歯については、目立ってしまうため、見た目を気にされる方も多いです。

もっと歯茎が下がってしまうと…

より進行してしまうと、以下のような症状にも悩まされます。

 
もっと歯茎が下がってしまうと…

歯がグラグラする

歯を支える骨が下がっていくと、歯がどんどんグラグラしてきます。もっとひどくなると、食べ物を噛みにくくもなります。

噛むと歯が痛い

歯の周りの歯茎や骨に炎症が広がることで、噛んだ時の痛みも出てきます。炎症が急性化すると、大きく腫れたり、ズキズキ痛んだりする場合もあります。

歯並びが悪くなる

歯を支える骨が下がることで歯が動き、歯並びが悪くなってきます。前歯はガタガタしたり、出っ歯のようになることも多くなります。

歯茎が下がってきた場合の治療法

歯茎が下がってきた場合の治療法
 

歯茎が下がってしまった場合、残念ながら自然に元に戻ることはありません。歯周病による炎症や、噛み合わせの問題などがある場合は、まずその治療をしっかり行うことが大切です。

 

そのうえで、見た目の改善や、歯がしみる症状の改善などのために、他の部分の歯茎を移植する結合組織移植術(けつごうそしきいしょくじゅつ)や、隣の歯茎を引っ張ってきて歯茎を移動させる歯肉弁移植術(しにくべんいしょくじゅつ)といった治療が行われることもあります。

 

しかし、これらの治療法はお口の中の状態によっては行えない場合もあります。治療を希望する際は、まずは歯科医院で相談しましょう。

大切なのは定期検診と予防

加齢とともに少しずつ歯茎が下がることはあります。しかし、歯周病や噛み合わせの問題などがあると、より早いスピードで歯茎や歯を支える骨が下がってしまい、歯を失う原因になります。

 

ただ、初期の段階は自覚症状が少なく、自分では気が付かないことも多いのです。そしてお伝えしたとおり、一度下がった歯茎や骨を戻すことはできません。

 

ですから、初期の段階で適切な治療やケアを行うことがとても大切です。ぜひ歯科医院で定期健診を受ける習慣をつけ、ご自身の歯を良い状態に保つようにしていただければと思います。

 
大切なのは定期検診と予防,ポラリス歯科・矯正歯科の衛生士は、全員が国家資格を有し、厳しい基準をクリアした、お口のケアを行うプロフェッショナルです。
 

ポラリス歯科・矯正歯科では、歯周病治療だけでなく、歯を良い状態に保つための予防歯科・メンテナンスもご提供しております。ポラリス歯科・矯正歯科の衛生士は、全員が国家資格を有し、厳しい基準をクリアした、お口のケアを行うプロフェッショナルです。

 

「歯茎が下がってきたかな」とお感じになる方はもちろん、ご自身の歯の状態が気になる方は、ポラリス歯科・矯正歯科にお気軽にご連絡ください。